
小型客船・呼子丸が嵐の尾道沖で遭難し、乗客9名全滅から三ケ月。残された恋人や家族のもとに、「今夜午前0時、呼子浜で待っている」と不気味なメッセージが届く。女子高生・恵は授業中のスライドに浮かぶ恋人・淳からの呼びかけに、交わした約束を胸に呼子浜へ急ぐ。ヤクザの親分・金澤は孫からの手紙に導かれ、跡目を譲る決意を固めて桟橋へ。造船技師・永尾は携帯パソコンに映る亡き妻と娘の姿を信じ、秘書・直子の車で向かう。水泳部員・沙由利はコーチへの秘めた想いを伝えるため、同僚・小百合もまた同じメモを手に浜へ。それぞれの想いと過去が交錯する中、午前0時、暗い海から真っ白な呼子丸が浮かび上がる。死者たちとのつかの間の再会は、言えなかった「さようなら」を告げるための時間だった。